>関野吉晴

> ここ33年間、半分以上の期間を海外の、電気も上下水もないところで、土地の人に泊めてもらい、できる限り同じものを食べて暮らしてきました。しかし自分の足元、あるいは日本についてあまりにも無知である事を痛感しました。学生時代に国内の山を登り、川を下りましたが、流域や山麓の人々と交流することありませんでした。 グレートジャーニー終了後は日本を知ろうと足元を見て歩いています。二風谷のアイヌ、山形の鷹匠、新潟のマタギ、東京西部の農林業に従事している人たちと交流しています。その中で最も力を入れているのは私の地元、東京下町での職人達との付き合いです。 私の生まれた下町に全国のブタ革なめしの8割をしている地域があります。そこで体験労働をしています。アンデスやアマゾンでも「泊めてください。食べさせてください。何でもしますから」と頼み込んで居候させてもらいました。仲良くなってから話を聞き、写真を撮ったのです。日本でも同じ流儀ですることにしました。